「ミッドサマー」の監督が撮った、21世紀で1番怖いと評される映画です。
勇気を振り絞ってみてみました!
視聴:2024年10月 Hulu
あらすじ
アニーはミニチュア作家。
母のエレンの葬式から物語は展開していく。
アニーは母に対して、愛憎入り混じる感情を抱いており、死に対して悲しめない。
また、アニーの家族歴からも何か良く無いものが自分の息子のピーターと娘のチャーリーにも受け継がれてしまうのでは無いかと心配している。
母の遺品からは「私を憎まないで。失うものを嘆かないで。犠牲は恩恵のためにある。」という手紙。
高校の授業では、「選択肢があったら悲劇性は高まるか?」「高まる。避けられない運命ならば、絶望的な仕組みの駒でしかない」
一家は自分達の運命から逃げられるのか…?
何かがおかしい家族
死んだ母は、解離性同一障害で認知症
父は妄想性のうつで餓死
兄は自殺。遺書は「 お母さんが僕の中に何者かを招こうとした。」
アニー本人は夢遊病で子供2人を燃やそうとした過去あり。
強烈すぎる家族歴。
娘のチャーリーは生まれた時に泣かなかったらしい。
アニーは死んだ母にピーターを近づけせなかった、だからチャーリーを差し出したら母は喜んだと。
差し出すって何??
色々と夫のスティーブと息子のピーター以外が何だかおかしすぎる。
途中で、ピーターに向かって「生みたくなかった!」「母さんが無理やり」などの表現が出てきます。
よくみれば、ピーターの容姿は両親と似てないような…もしかしたら、スティーブではなく信者との子供なのでは…。
アニーはどこまで知っていたのか?
アニー自身も葬式の時点で特徴的な紋章のネックレスをしています。
この紋章は意味悪魔信仰のモチーフで、チャーリーが事故に遭う場面や遺品の怪しげな本にも書かれています。
アニー自身が作るミニチュアにもアニーが知らないはずの娘の死亡事故の場面が反映されていたりします。
この時点でアニーも悪魔信仰の手先なのかな…。
夢遊病もこれのせい??
本にも首3つを持った悪魔の王が描かれているので、祖母、母、娘とピーターの体で召喚ということなのか…。
この信仰に関して、特に解説もないので想像の域をでませんが…。
また、これは本当に悪魔の召喚なのかという点も気になります。
精神病による妄想の類で悪魔とか霊的なものでは無いという見方もできるかもしれません。
アニーの異様な家族歴、信者の家で出されたお茶、息子のハッパや衝撃的な事故や家族仲の軋轢によるストレスなどでの発症。
おまけに、冒頭で夫のスティーブが何かの博士らしいので、アニーやその一族、信仰などを研究対象として観察していたのかも。
普通、夢遊病で子供を焼こうとしたら即離婚だと思う。
全体的な感想
ホラーというよりは、カルト系に近い気がします。これなら私もみれます。
グロシーンもありますが、画面が暗いせいなのか、意外と耐性があるのかあまり怖くありません。
面白かったです。
音響がすごいよ
ミッドサマーでもそうだったのですが、所々ででる不協和音?ビーンとかブーンという音が気味悪いんです。
でも、特に何も起こらなかったりします。
(次第に耳元でも聞こえる気が…と思ったらカメムシが部屋に侵入していて悲鳴をあげました。)
ラストシーンも神々しい音楽と嫌な音。
何かが降臨したのを強く感じます。
私までひれ伏したくなる音楽でした。
画面構成がすごい
ミニチュアの中で物語が進行しているような構図が良かったです。
まるで、大いなるものが人間を駒のように動かしている感じです。
チャーリーの部屋がこんな感じです。
教会みたいな三角屋根の中の真ん中にベッド!
儀式っぽい感じ。
ラストシーンもこのような三角屋根で終わるので何か意味があるのかも。
後半、画面向かって左上に壁に張り付くアニーがいるんです。
ここに焦点が合いそうで合わない感じがまた怖い。
振り返る方そっち??しかも、裸の謎の微笑む男が立ってる!!!(怖
また、とにかく家の中がブラインドやスタンドガラスのせいで暗く、外の世界がこれでもかと眩しい。
山の中にある家で周辺には日が差すのに絶対家に当たらないのとかこだわりを感じます。
キャストがすごい!
チャーリーが怖いの。
最初、小学校1.2年生かな?と思いきや、結構胸があって、おや?と思い始めました。
顔も幼いけど、どこか疲れ切っていて老婆のよう…。
あの子がどうも祟られる、キーパーソンなのでは無いかと疑うくらい不気味。
外見に特徴を持つ先天性の疾患をお持ちの女優さんらしいですが、映画ではより不気味に見えるよう加工しているとのこと。
また、アニーも怖い。
お母さんのチャーリーの死体を見つけてしまった時の泣き叫び方が声が低くて、時々悪魔っぽくて怖い。
食事会のシーンも取り憑いたかのような顔で怖い。私まで堀が深くなりそう。
どうでもいいけど…
玄関の横に奥行きがあってベンチになってました。
ベンチの下はくつばこ。座りながら靴を履けるのが機能的でいいなぁ。
スタンドガラスの窓がうしろにあって、あそこで昼寝したら気持ちよさそう。(作中のスタンドガラスは暗めだけど)
長く書いてしまいましたが、割とこの監督の作品は好きになれそうです。
今度は「ボーは恐れている。」をみてみたいと思います。