ここ数日報道されている、ママ友の洗脳でお子さんが無くなった事件に胸を痛めています。
お腹空いてて、お菓子買っておいでと言われて、「これママが好きだから」とお菓子をもってきたそうです。言葉になりません。
こういう洗脳系の事件が起こる度に、精神科の授業で聞いた話を思い出します。
(私の専門ではなく、偏見など防ぐために疾患名や用語は極力避けます。対人操作の怖さが伝わればいいなと思っています。)
世の中には、対人操作といって、自分の言動で人を動かすことがとても上手な人がいるということ。
時々、医療現場でも問題になることがあります。
授業の先生もターゲットになったそうです。
異動してきたばかりで、若干他のスタッフとまだ距離があったころだったようです。巧みに他のスタッフがこんなことを言ってたよ、馴染めてる?私は応援してるよ等々声をかけられたようです。
気付いたらよくその患者さんと話すようになる
→他のスタッフに苦手感を持つようになり距離をとるようになる
→よりその患者さんと話すときに安心感を覚えるようになる。
→シャワーの予約(本当は自分でいく)などお願いされる。
→次第に他の患者さんと予約時間を変えてほしいなどエスカレート
ここで、「あれ?これ操作されてない?おかしいぞ。」と気付いたそうです。
他のスタッフとこの一連のことについて話し合うとやはり誤解があったり、他のスタッフもその先生に距離がとられてしまうので話しかけられなかったなどが明らかになったそうです。
一見するとこの先生に問題があるように見えるかもしれません。
怖いポイントとしては、
周囲の人間関係の微妙な雰囲気を感じとって、孤立しそうな人物に目をつける、絶妙に真実味がある嘘、話がうまく、取り込まれやすい。
(これは、無意識にしている人もいるし、意識的に行うことができる人もいるようです。)
その患者さん自身は、誰かに特別扱いして欲しいという欲求からスタッフ間の人間関係を操作してしまったようです。
授業の教訓としては、
自分の感情と業務に一線を引くことが大事。
患者さんとスタッフも人間同士なのでやはり相性などはあります。ただ、職業的にも特別扱いすることはあってはならないからです。
これは日常生活にもいえることで、ここまでは踏み込ませない一線をしっかり持つことで、おや?っと気づけるかもしれません。
実際に対面したことがないのでその上手さがよく分からないのが怖いなぁと思います。
それは一見、とても親切な人や的確なアドバイスをくれる人や憧れてしまうような人かもしれません。悪意に気付かず、取り返しのつかないことになったらと思うととても怖いです。
最後に被害にあわれた男の子のご冥福をお祈りします。また、お兄ちゃん達の心身が癒えることを願っています。